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華太郎のこと


 華太郎が亡くなってもうひと月以上経ってしまった。体調が悪くなってから

あれよあれよという間に弱っていき、看護らしい看護もできないうちに

いなくなってしまった。

 まだ(という表現がふさわしいくらいに元気だった)14歳、ゆるゆると老いていき

歩けなくなるんだろう、そうしたらどうやってお散歩に行こうか、台車を改造して

バギーを作ろうか…試しに紙おむつも履かせてみようか…など来るべき老後に備えよう、

と考えていた矢先の出来事だった。

 生来、あまりベタベタと甘えるタイプではなく、どころか、こちらが癒しを求めて

なだれかかってもため息をついてそっぽを向くような(笑)、塩対応多めな犬だった(本当に

君はラブラドールなのか!)。だから私たちは「きっと私たちをペットロスに陥らせないように、こんなにそっけないんだろうね」なんて話して笑っていた。

 だけど華どん(普段の呼び方)、そんなふうに気を遣って塩対応してくれていたのかもしれないけど、全然効果なかったよ、今バリバリのペットロスになっちゃてるんだから、どうしてくれんのよ‼どうせ効果がないんだからもうちょっと長生きすればよかったじゃんよ‼

…そんな恨み言を言ってやりたくもなる日々を過ごしている。

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